コラム

トラックの種類とメーカー。平ボディ、アルミバンの違い

トラックの種類とメーカー
佳恋
佳恋
トラックにもいろいろな種類があるんですが、たとえば平ボディとアルミバンの違いってわかりますか?
室伏
室伏
どちらも、はじめて聞いた名前だな(汗)
佳恋
佳恋
じゃあ、トラックを製造しているメーカーをぜんぶ言えますか?
室伏
室伏
そうだな、いすゞと、三菱と……。うーん。
佳恋
佳恋
では、トラックの種類やメーカーについて教えちゃいますね!

トラックのレンタカーって、どんな種類・タイプを選べばよいのか、わからなくて困りますよね。

正直、トラックはあまり乗る機会がないと思いますので、どんな種類があるのかわからない人も多いかと思います。

また、トラックにはどんなメーカーが製造しているかもあまり考えたことはありませんよね。

というわけで、このページでは、引越しや荷物輸送に便利なトラックのタイプ・種類、特徴、製造メーカーについて、まとめてみました!

よく使われるトラックはこの3タイプ

平ボディ荷台がフラットで屋根のないタイプ
アルミバン荷台が箱型になっているタイプ
ウィングコンテナの両側が開くタイプ

トラックは、用途ごとにさまざまなタイプがありますが、引越しやたくさんの荷物を運びたいときに使われるトラックは、上記の3タイプが一般的です。

そこで、この記事では、この3つのトラックにしぼって、形状や特徴、タイプごとのおすすめの車種などを紹介していきます。

トラックの種類その1 平ボディってなに?

平ボディトラック

平ボディトラックは、運転席の後ろにフラットな荷台がついたタイプ

アルミバンと違い、荷台に屋根や壁がありません

オープンタイプになっている代わりに、積み込んだ荷物が落下しないように、「あおり」と呼ばれる背の低い板が、左右と後部から荷台を囲んでいます。

形状としてはいちばんシンプルですが、もっとも一般的なデザインともいえます。「トラック」と聞くとこの平ボディタイプを思い浮かべる方も、多いのではないでしょうか。

パワーゲートのトラック

また、パワーゲートと呼ばれるものがあります。

これは、荷台に荷物を乗せるためのエレベーター、リフト付きのトラックです。クレーンやフォークリフト等がない状況で重い荷物を乗せるのには必須です。

 

平ボディトラックの使い道は?

 

荷台がオープンになっているため、荷物の積み下ろしが非常に容易であること、状況に合わせて柔軟な荷積みができること、というのが、平ボディトラックのいちばんの強みです。

壁や屋根によるサイズ制限がないため(法的な制限はあります。後述します)、荷台サイズよりも長さが長い荷物でも、規定の範囲であれば、はみ出して運ぶことが可能です。

また、車体重量が軽く、最大積載量が大きいというメリットもあります。

さまざまなサイズ、形状の荷物を柔軟に積み込むことができる、汎用性の高いトラックです。

一方で、荷台を覆うものがないので、悪天候やほこりなどの汚れには非常に弱いのが、大きなデメリットです。

荷物の保護もそうですが、荷台が濡れてしまうと荷物も濡れてしまうため、つねに荷台をシートで覆うなど、取り扱いには注意が必要になります。

また、盗難や落下のリスクも高いです。

精密機械、箱づめできない大型家具やふとん、貴重品など、濡れたり汚れたりしては困る荷物の運送には向きません。

その代わり、自転車など、かさばる荷物の運送には強さを発揮します。

 

メリットデメリット
  • 荷物の積み下ろしが楽
  • 荷台よりも大きなサイズの荷物も積むことができる
  • 車体重量が軽いため、多くの荷物を積むことができる
  • 悪天候による水濡れ、汚れに弱い
  • シートによる保護が必須
  • 落下、盗難のリスクが高い

 

平ボディトラックは、何cmまでなら荷台からはみ出してもよい?

 

トラックの積載制限の説明図。車体の長さ×1.倍。地上から3.8m以下

道路交通法の57条では、以下のように規定されています。

  • 幅……荷台の幅以内
  • 長さ……トラックの全長の10%の長さまではみ出してよい
  • 高さ……荷台の高さ + 荷物の高さ が3.8 m以内ならはみ出してよい

簡単に言うと、幅は「あおり」でどのみち制限されていますし、高さ3.8 mをはみ出ることはあまりないと思いますので、一番気をつけなくてはいけないのは、

  • トラックの全長の10%以上はみ出したらアウト

ということです。

平ボディがアルミバンよりも多く荷物を積める理由は?

 

トラックの最大積載量は、車両総重量から、車両重量を引き算した数値になります。

車両重量というのは純粋に車両の重量、車両総重量は燃料やオイルを積んだ重量と考えてください。

コンテナ付きのアルミバンよりも、荷台だけの平ボディトラックのほうが車両重量が軽くなるため、最大積載量が多くなる、つまり多くの荷物を積み込むことができるわけです。

ちなみに、車両総重量と最大積載量を求める数式は、このようになっています。

  • 車両総重量=車両重量+(乗車定員×55kg)+最大積載量
  • 最大積載量=車両総重量-(車両重量+乗車定員×55kg)

 

車両総重量の定義。車両本体、最大積載量、乗車定員×55kg

運転免許種類別、おすすめ平ボディトラック

 

持っている運転免許によって、運転することができるトラックのサイズは違います。

運転免許ごとに、運転できるトラックと、おすすめの車種を紹介します。

運転免許トラックのサイズおすすめの車種
普通運転免許軽トラ、1t、1.5tトラックトヨタ タウンエース
準中型免許(5t限定)2tトラック日野 デュトロ
準中型免許2t、3tトラックいすゞ エルフ
中型免許(8t限定)4tトラックマツダ タイタン
中型免許
大型免許10tトラックいすゞ フォワード

 

トラックの種類 その2 アルミバンってなに?

 

アルミバンのトラック

アルミバントラックは、荷台がコンテナ型の荷室になっているタイプ

前述のように、平ボディトラックの荷台は屋根も壁もなく、文字どおり荷物を積む「台」であるのに対し、アルミバンの荷室スペースは密閉型の箱状になっています。

荷物の積み下ろしは、コンテナの後方に取りつけられたドアを開けて行います。

 

アルミバンの特徴、メリットとデメリット

 

アルミバンは、密閉型のコンテナに荷物を積み込むスタイルですから、荷物を保護する機能が高いというのが大きな特徴になります。

 

メリットデメリット
  • 雨や風に強い
  • ほこり、汚れ、水濡れ、落下などトラブルのリスクが少ない
  • 精密機器など、デリケートな荷物も運べる
  • 後ろからしか搬出できないので、作業効率が悪い
  • かさばる荷物、大きな荷物は積み込みが難しい
  • 運転が難しい

 

平ボディトラックと違い、雨風など悪天候の日でも、濡れたり、汚れたりする心配をせずに荷物を運ぶことができます。

ドアはロックすることもできるため、落下のほか、盗難のリスクも低くなります。

一方、荷物を積み込むことができるスペースが意外に少ない、というのは、小さくないデメリットといえます。

壁、屋根があるため、荷室からはみ出すサイズの荷物は積み込めません。

さらに、ぴったりとつめ込んでしまうと運送中にコンテナの内壁とすれたり、出し入れがしづらくなるため、荷物とコンテナの間にはあるていどの空間を空けて積み込む必要があります。

たとえば、自転車などかさばる荷物をひとつ積んでしまうと、かなり狭いスペースしか残らなくなってしまいます。

自分でアルミバンをレンタルして引越しする場合は、運転が難しいこともデメリットになります。コンテナ部分が意外と高いので、後方確認がしづらく、基本的にサイドミラーのみでの確認になります。

また、車全体の高さを把握していないと、ガード下や門にコンテナをぶつけてしまうリスクもあります。

 

アルミバンの使い道は?

 

アルミバンで運送するのに向いているのは、寝具などの布製品、精密機器

 

引越し業者で広く使われているように、アルミバンはどんな荷物にも対応する、オールマイティなタイプのトラックです。

あえていちばん適しているものをあげるとすれば、やはりパソコンなど精密機器の運送でしょうか。

精密機器は濡れたり、細かいほこりが入り込んでも故障の原因になりますから、コンテナに収納することができるアルミバンは心強い運送手段です。

ほかには、寝具のように濡れると乾かすのが大変な荷物、落下のリスクが少ないということで壊れやすい荷物なども、アルミバンが向いています。

 

運転免許種類別、おすすめアルミバン

 

運転免許ごとに、おすすめのアルミバントラックを紹介します。

運転免許運転できるトラックおすすめの車種
普通自動車免許軽トラ、1t、1.5tトラック三菱キャンター
準中型免許(5t限定)2tトラック日産アトラス
準中型免許2t、3tトラックいすゞエルフ
中型免許(8t限定)4tトラック三菱ファイター
中型免許
大型免許10tトラック三菱ファイター

 

トラックの種類 その3 ウィングボディってなに?

ウイングボディのトラック

ウィングボディは、使用される頻度は高くありませんが、平ボディやアルミバンとは違ったメリットがあります。

知っておくと便利だと思いますので、簡単にまとめておきましょう。

「ウィングボディ」もトラック用コンテナの一種です。

ウィングボディは、左右両側の壁部分が上に向かって大きく開くのが特徴です。

両側のドアを開けたようすが、前から見るとかもめが翼を広げたように見えることから、「ウィング」の名称がつきました。

ウィングボディには、全体がアルミ製になっているタイプと、開閉するウィング部分がポリエステル製の「幌」になっているタイプとがあります。

幌タイプは特に「幌ウィング」と呼ばれ、車体重量が軽量、価格が比較的安価、といった特徴があります。

 

幌ウィングのメリット・デメリット、使い道は?

 

メリットデメリット
  • ドアが大きく開くので作業効率がよい
  • 雨による水濡れ、落下などのリスクが低い
  • 車体が軽量になるので荷物を多く積むことができる(幌ウィング)
  • 雨風を完全には遮断できない(幌ウィング)
  • 降雪に弱い(幌ウィング)
  • 精密機器などの運送には不向き
  • 車体サイズによってはかえって最大積載量が少なくなる

 

ウィングボディは、荷積み、荷下ろしが楽で、雨もカバーしてくれると、平ボディトラックとアルミバン、両方のメリットを持っています。

しかし一方で、コンテナサイズ以上の荷物は積むことができない、隙間からほこりが入る(幌ウィング)など、デメリットについても、平ボディトラックとアルミバン、両方の欠点を持っているともいえます。

ほこりに弱い精密機器、表面が傷つきやすい家具には向きませんが、それ以外の一般的な家財道具は、ほとんどの種類を積むことができます。

特に、人数が多くて荷物の数、種類が多い引越しの場合は、作業効率がよいウィングボディのメリットが生きてきます。

 

ウィングボディの注意点

 

小型のウィングボディは、ウィングの開閉は手動で行うことができます。

しかし少し大型のトラックになると、重くなるため手で動かすことは困難で、油圧や電動モーターで開閉することになります。

そうなると、ウィングの駆動装置の分、車体重量が重くなってしまい、最大積載量も少なくなってしまいます。

駆動タイプによっては、「アルミバンよりも多く荷物を積むことができる」というメリットが生きなくなることがありますので、その点には注意が必要です。

 

トラックをレンタルするなら? 各メーカーの比較

 

トラックは商用車としてニーズが高いため、さまざまなメーカーで開発、販売を行っています。

選択肢が多いというメリットもありますが、レンタルするとなると、どのメーカーの、どんなトラックを選べばよいか、迷ってしまうのも正直なところです。

 

メーカーごとの特徴を比較

 

トラックメーカーの大手6社の比較です。

 

三菱ふそう低燃費とブレーキ性能の高さが高評価
尿素水溶液を使ったクリーンディーゼルを採用
いすゞ小型トラックに強く、シェアは国内1
尿素水溶液の要らない排出ガスクリーン化システムを採用
アイドリング音が静かな低騒音設計
日産トラック界ではいちばんの低燃費。特に2tトラックは燃費が良い
トランスミッションは、三菱ふそうのキャンターと同一
マツダ耐久性の高さで人気
トランスミッションと排出ガスのクリーン化のシステムは、いすゞの技術を導入したもの
トヨタ戦前から軍用トラックを生産してきた老舗トラックメーカー
プリウスなどに使われているハイブリッドシステムを採用し、低燃費、低排出ガスを実現
日野トラックの老舗で、最大大手メーカー
エンジンのバリエーションが豊富
尿素水溶水の要らない排出ガスクリーン化システム

 

兄弟車とは 名前だけ違って、性能は一緒?

 

兄弟車のダイナ、トヨエース、デュトロの性能はほとんど同じ

「兄弟車」とは(中略)それぞれ基本は同じクルマでありながら外観の一部がやや異なり、車名も別で、異なる販売店系列で売られるクルマを言う。

引用元:東洋経済ONLINE(記事名:トヨタだけに兄弟車が脈脈と残っている事情 今日においてもなお意味のある存在だ 御堀直嗣  2018/08/07 6:00)

自動車業界ではしばしば、あるメーカーで開発した技術を、ほかのメーカーに供給することがあります。上の表中にもありますね(三菱と日産など)。

それだけではなく、あるメーカーで開発した車両を、そのまま他社に供給しているケースもあります。これを「兄弟車」と呼びます。

たとえば、日野は自社のトラック「デュトロ」をトヨタに供給しており、トヨタではデュトロのエンブレムや内装を少し変更して、「ダイナ」、「トヨエース」として販売しています。

この場合、デュトロ、ダイナ、トヨエースは、性能的にはほとんど違いがありません。

お目当てのトラックがなかった場合は、兄弟車をレンタルする、という方法もありますね。

兄弟車は、一見違うように見えても性能はほぼ同じなんです。

 

国内、国外のトラックメーカーを紹介します!

 

この記事では、大手6社を選んで紹介しましたが、トラックの製造、販売を行っているメーカーは、国内にも、海外にもまだまだあります。

国内メーカー
  • スズキ
  • ダイハツ
  • ホンダ

こちらの3社は、軽トラックを専門に製造しています。

海外メーカー
  • ダイムラー(ドイツ)
  • フォルクスワーゲン(ドイツ)
  • ボルボ(スウェーデン)
  • パッカー(アメリカ)
  • スカニア(スウェーデン)
  • MAN(ドイツ)
  • イヴェコ(イタリア)

スタイリッシュなイメージの強いフォルクスワーゲンも、トラックを製造しているんですね。

レンタカーに海外メーカーのトラックが置いてあることはほとんどないと思いますが、もし何かの機会があったら、海外のトラックで荷物を運んでみるのもよいのではないでしょうか。

なお、トラックの種類、車種のほか、マニュアル(MT)、オートマ(AT)なども確認しておくと良いでしょう。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です